実行委員長挨拶


これまでの支援経験を活かしつつ、熊本の方々に寄り添い、

新たな支援を考え続けます

 

神奈川ボラジェット代表

田口 努(横浜YMCA総主事)

 

 まもなく熊本地震から3カ月を迎えようとしています。いまだ避難所で避難生活を送る方は、8千人を超えており、自宅の半壊、全壊などの被害に加え、農業が盛んな熊本では、地盤や地下水の変化により農地の復興が遅れていることや主要産業の一つである観光業もきびしく経済的な問題も深刻化しています。そして何よりも、日常生活が取り戻せず、物、家、仕事、そして地域の人びとのきずなへの喪失感、いまだ続く余震の中での不安や心の傷(トラウマ)など、子どもから大人まで大きな課題の中にいます。

 マザーテレサは、愛の反対は無関心と言っていました。3カ月を超え、関心が薄まるばかりです。あらためて他人事(ひとごと)になりつつある心の風化をとめ、自分事に変える機会としてボランティアを送りたいと考えています。

 震災初期の段階とはまた違い、避難生活が日常化する中での課題。そして、これから仮設住宅、復興住宅と自立への道を進む中で、その度に、せっかくできたきずな、つながり、コミュ二ティ(共に生きる共同体)が壊され、孤立化していくということが阪神淡路大震災、中越地震、そして東日本大震災でも繰り返されてきている現実を、私たちは災害ボランティアの支援活動で見てきました。支援の度に現地の諸団体と連携しながら、孤立化を防ぐことを考え、さまざまな支援を行ってきました。その経験を生かした支援活動を今回も目指していきたいと思います。

 また、災害は日常の社会の課題(災害弱者といわれる子ども世帯、障がい者、高齢者の介護などの課題)も浮き彫りになります。常日頃から、社会の課題に寄り添う専門性を持つ方々も含めて、どのような長期的支援が必要なのかも考えていきたいと思います。これまで、各地で被災者支援を共にしてきた熊本YMCAが、今回は、最大の避難者を受け入れている益城町総合体育館の避難所運営や御船町スポーツセンターの避難所の運営、また阿蘇地域でも災害ボランティアセンターとして活動を展開していることから、現地の活動パートナーとして熊本YMCAを中心に、現地の諸団体と神奈川のこれまで災害ボランティアバスを出すなど支援活動を展開しつつ、神奈川での減災活動を行ってきた諸団体が連携してボランティアを送り出すことにしました。これまでの経験を踏まえて事前オリエンテーションや現地での日々の活動検証、そして、これからの神奈川の減災活動にも生かしていきたいと考えています。

 まず、自分が動くことが、新たなつながり、きずなをつくり、復興自立を目指す人へ神奈川から、忘れていないこと、関心を持ち続けていること、できる支援を考え続けている人がいることを示すだけでも大きな力になります。ぜひ、ご参加いただければと思います。